企業・団体のための個人情報保護支援サイト

イメージ

 
 
◇ Let's Try! 過去問題◇
 

◆ 個人情報取扱事業者の義務規定について、誤っているものを選びなさい。

【問題】
個人情報保護法は、一定の場合に、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定の適用を行わない旨を規定する。この規定に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

ア.
個人情報取扱事業者に当たる報道機関が、報道の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合、外国籍の報道機関であっても、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定は適用されない。

イ.
個人情報取扱事業者に当たる著述を業として行う者が、著述の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合、この著述が文芸作品でなくても、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定は適用されない。

ウ.
個人情報取扱事業者に当たる宗教団体が、宗教活動を行う目的で個人情報を取り扱う場合、宗教法人法の認証を受けていない宗教団体であっても、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定は適用されない。

エ.
個人情報保護法上、個人情報取扱事業者の義務規定が適用されない場合、当該個人情報取扱事業者は、個人情報保護のための自主的な取組みを行うよう努める必要はない。
   
   
   
【解答】 誤っているのは「エ」
個人情報保護法は、法50条で、憲法上の権利を尊重するため、一定の場合に、個人情報取扱事業者であっても法の個人情報取扱事業者の義務規定を適用しない旨を定めている。本問はこの適用除外についての理解を問うものである。

ア:正しい
法50条1項1号は、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定を適用しない場合として、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む)が報道の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合を挙げている。この場合、報道機関等の国籍や利用媒体は問わないものと解されており、外国籍の報道機関であっても同条項が適用される。従って、本記述は正しい。

イ:正しい
法50条1項2号は、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定を適用しない場合として、著述を業として行う者が、著述の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合を挙げている。この著述とは、文芸作品、学術論文等のジャンルや利用媒体は問わないものと解されており、文芸作品でない著述であっても同条項が適用される。従って、本記述は正しい。

ウ:正しい
法50条1項4号は、法の定める個人情報取扱事業者の義務規定を適用しない場合として、宗教団体が宗教活動(これに付随する活動を含む)の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合を挙げている。この「宗教団体」は、主体の範囲を明確にするため、宗教法人法が定義する宗教団体のみに限られているが、同法上の認証を受けていることまでは必要としないと解されており、認証を欠く宗教団体であっても、同条項が適用される。従って、本記述は正しい。

エ:誤 り
法50条3項は、法50条1項各号により義務規定を適用しないとされた個人情報取扱事業者は、個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置、個人情報の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならないと定めている。従って、自主的な取り組みを行うよう努める必要はないとする点で本記述は誤っている。